2025年03月22日

Vol.4506「組織の脆さについて考えさせられた話」


先日、

話題のノンフィクション作品


『対馬の海に沈む』
https://www.amazon.co.jp/dp/408781761X/


を一気読みしました。



開高健ノンフィクション賞

を受賞されただけあって、

物語に引き込まれますね。



著者の取材力と洞察力は

圧巻です。



Amazonで紹介されていた

あらすじは以下の通り。


(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人口わずか3万人の長崎県の離島で、

日本一の実績を誇り「JAの神様」と呼ばれた男が、

自らが運転する車で海に転落し溺死した。


44歳という若さだった。


彼には巨額の横領の疑いがあったが、

果たしてこれは彼一人の悪事だったのか………?


職員の不可解な死をきっかけに、

営業ノルマというJAの構造上の問題と、

「金」をめぐる人間模様をえぐりだした、

衝撃のノンフィクション。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)



ネタバレになるので

詳しくは書きませんが、

巨大組織とムラ社会の深い闇をえぐる内容に、

読了後は色々と考えさせられました。



というのも、

構造で捉えれば、

この事実は

どんな組織でもどんな地域でも

起こり得ることだからです。



以下は、

同著を読んでの私なりのメモになります。



・ノルマ至上主義の弊害

・長い物には巻かれろのサラリーマン精神

・いったんタガが外れると罪悪感がなくなる心理

・みんながやっているという間違った安心感

・被害者という仮面をかぶった共犯者

・公の正義よりも自分の利益

・誤った、お互い様の精神

・コンプライアンス徹底の難しさ

・人間の心の弱さ

・不正行為に対する慣れ、感覚の麻痺

・人間の妬む心

・実力者が支配することのリスク

・責任を特定の人になすりつける巨大組織のずるさ

・金メッキが一気に剥がれ落ちていく様

・お金や権力でのつながりの脆さ

・形だけの仲間

・不都合な事実をもみ消そうとする組織の圧力

・都合が悪いことは見てみぬふりをする体質

・競わせて表彰し、富や名声を与えることのリスク

・閉鎖的でかつ同調圧力の強いコミュニティの、複雑な人間関係



読まれていない方からすれば

何のことやら分からないと思いますが(汗)、

とにかく、

そこにいるメンバーが機械ではなく

感情を持った人間である以上、

内部統制が機能しなくなるリスクは

常に存在します。



しかもしれは、

ちょっとしたことから、かつ、

1人ひとりは何の悪気もなく

崩れてしまうから厄介です。



ルールや罰則で

ガチガチに固めてしまえばよい

という単純な話ではありません。



したがって、

経営者やリーダーの立場としては、

そういった組織の脆さも理解しつつ、

経営の舵取りをしなければならない

のでしょう。




本日は、

『対馬の海に沈む』

を読んでの備忘録として

書き記しました。



気分転換に読まれてみては

いかがでしょうか?


*******************


【本日のまとめ】

■ メンバーが感情を持った人間である以上、

  内部統制が機能しなくなるリスクは

  常に存在する。

■ 経営者やリーダーの立場としては、

  組織の脆さも理解しつつ、

  経営の舵取りをしなければならない。




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posted by 安野 広明 at 13:03| 島根 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする