2025年03月12日
Vol.4496「“共感”と“同情”とを線引きする」
私(安野)は
どちらかというと情に脆く、
相手に感情移入してしまうところ
があります。
それによって
意思決定が揺らいだり、歪んだことは
数知れず。
経営者として、
何度も悩まされました。
ただ以前、
ある本を読んだ時に
ハッとさせられたんですよね。
そこには、
「共感と同情を勘違いしない」
と書かれてました。
その本によると、
「共感」とは、
自分というスタンスを持ちながら
相手の感情の中に入っていくこと。
一方で「同情」とは、
自分の感情と相手の感情が
共に共鳴し合って一体化すること
だそうです。
つまり
「共感」は自分を保つことができますが、
「同情」は自分と相手が一体化するため、
分離できずに
ごちゃごちゃしてしまうのです。
当然ですが、
経営者やリーダーは
常に第三者視点を持っていなければ
冷静な判断ができないため、
相手の気持ちを理解しつつも、
同化してはいけません。
その違いを知ってからは、
共感しても同情はしないように
心がけているつもりです。
そして
共感の力を高めるために必要なのが、
相手の目で見て、
相手の耳で聞いて、
相手の心で感じること。
これについては、
とても分かりやすい
「ロバの話」という寓話
がありますので、
以下に紹介します。
(ここから)
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ある町で大切に飼育されていたロバがいました。
そのロバが逃げてしまったため、
町中大騒ぎです。
近くを探しても見つかりません。
町の長老たちは、
「なぜ逃げたのだろうか?」
「どこへ行ったのだろうか?」
と会議室に集まって議論します。
そこに町で「愚か者」と馬鹿にされている人物が
会議室にへ入ってきました。
なんと、
「私はロバを見つけました」と言うのです。
そこにいた長老たちは、
「お前みたいな愚か者がなぜ見つけられたのだ?」
と詰問しました。
その町の愚か者の答えはこうでした。
「私はロバが逃げたと聞いた時、
まずロバ小屋に行ったのです。
そしてロバが普段いる場所に、
ロバのように佇んで、
ロバの気持ちになりきって考えてみたのです。
ロバがもし、逃げるとしたらどんな気持ちで、
どの方向に逃げるだろうと考えました。
そしてその方向に行ってみたら、
その先でロバを見つけたのです。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
上記の寓話の長老たちは、
誰一人現場に行きませんでした。
会議室で、人間の頭で
人間の気持ちで考え、
議論しています。
これに対して
町の愚か者は、
まず現場に行って、ロバの身になってみて、
ロバの頭で、ロバの気持ちになって、
どうするだろうと考えました。
このことから、
共感するのに重要となるのは
以下の行動です。
▼ まず現場に行く
▼ その人と同じような環境に立ってみる
▼ その人と同じような状況を思い描き、考えてみる
▼ メタ視点を持ち、ものごとを俯瞰して見る
経営者やリーダーの立場にある方は、
共感力を高め、
メンバーとの信頼関係を築き、
組織に一体感を生み出すべく、
そんな行動に意識を向けてみては
いかがでしょうか。
少なくとも
以前の私みたいにならぬよう、
「共感」と「同情」とは
明確に線引きした方がよい
と考えています。
本日は、
備忘録を兼ねて。
* 参照『みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと』
***********************
【本日のまとめ】
■ 共感の力を高めるために必要なのが、
相手の目で見て、相手の耳で聞いて、
相手の心で感じること。
■ 「共感」と「同情」とは
明確に線引きした方がよい。
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