2022年09月22日

Vol.3594「1人ひとりが“ラストマン”であれ!」


日立製作所が

7000億円を超える赤字を出した直後の

2005年に社長に就任され、

2014年までの5年間で

過去最高益を出すまでにV字回復させた、

川村隆さんという方がいらっしゃいます。



同氏が大切にされている言葉が、


「ラストマン」


です。



これは、


「課題解決において自分が最終意思決定者

 になる覚悟を持った人」


もしくは、


「最後に責任を取ろうとする意識のある人」


を意味します。



ご承知の通り、

カリスマ性や才能だけで

組織を引っ張ったり、

自己成長することが

難しい時代になりました。



むしろ大切なのは、

心構えとそれに伴う実行力

であり、川村氏なりに

それをひと言で表したのが、


「ラストマンになる!」


なのです。



もともとは、

一社員だった30代の頃、

日立工場長の綿森力氏(当時)が、

工場の執務室で


「この工場が沈む時が来たら、

 君たちは先に船を降りろ。


 それを見届けてから、

 俺はこの窓を蹴破って飛び降りる。


 それがラストマンだ。」


と語ったのを聞き、

その時に、川村氏の中で

「ラストマン」という言葉が

深く胸に刻み込まれたのだとか。



それ以来、どんな立場であれ、


「自分はラストマンであろう」


と努めてきたそうです。




確かに、

分かりやすい表現だと思います。



また、結果として、

日立製作所のトップになられたのだから、

説得力もあります。



とはいえ、決して

簡単なことではなくて、

私(安野)自身、

東京でサラリーマンをしていた時代に

そこまでの意識を持っていたか?

と問われれば、

・・ちょっと怪しい(汗)。



振り向いても上司のいない(=壁しかない)、

経営者という立場になってはじめて、

真のラストマンになれた、

そんな感じでしょうか。



ちなみに、時折、


「社員1人ひとりが経営者であれ!

 (=そういう意識を持て!)」


みたいな訓示を耳にしますが、

正直、かなりハードルは高い

と思っています。



実際にその立場にならないと、

経営者の視点や苦悩は

分かりませんので。



ただ、自分に与えられた範囲で、


「ラストマンになる」


ことはできるでしょう。



例えば、

書類一つ作るにしても、


「どうせ上司が確認してくれるだろう」


くらいの気持ちで、

ろくに見返すこともしないのか、

それとも、

自分の後ろにはもう誰もいない、

最終責任者という意識で

自分なりに完璧に仕上げよう

として仕事をするのか。



数年単位で見た時、その実力差は、

歴然としたものになるはずです。




・・ということで(!)、

1人ひとりがラストマンとなる組織

を目指したいもの。



本日は、

備忘録を兼ねて書き記しました。



* 参照『ザ・ラストマン』(川村隆 著)


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【本日のまとめ】

■ ラストマンとは、

  「最後に責任を取ろうとする意識のある人」

  のこと。

■ 1人ひとりがラストマンとなる組織

  を目指したいもの。




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posted by 安野 広明 at 23:03| 島根 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする