2018年10月21日
Vol.2162「‶外向き思考”の人を増やすのは、リーダーの役割」
もしも社内のメンバーが、
自分中心の「内向き思考」な人ばかり
だったとすれば、その会社は
成果を残すことができないでしょう。
そこにお客様視点が欠けているのだから、
当然です。
また、「内向き思考」の人には、
自己正当化のために
自分以外の誰かや何かのせいにする人(=他責の人)が多く、
そういったスタンスであるが故に、
仕事に対しても、どこか及び腰で妥協しやすい
という傾向があります。
結果的に、
自分で自分の力を抑制することとなり、
組織としての成長も
止まってしまうでしょう。
したがって、
自分中心の「内向き思考」ではなく、
お客様やチームや会社全体といった
自分以外の他者を含めて考える「外向き思考」
のメンバーを増やしていくことは、
経営者やリーダーの役割
だと考えています。
ここで、「内向き思考」と「外向き思考」について、
ある本の中で印象的な話が書いてありました。
米海軍特殊部隊シールズの隊員で
長らく特殊作戦チームを率いてきた、
ロブ・ニューソン大佐の言葉です。
シールズの候補生は、
トレーニングエリアの脇に吊るされたベルを鳴らすだけで
いつでも好きな時に厳しい訓練をやめることができるのですが、
ニューソン大佐は、
「これは確信をもって言えることだが、
訓練をやめる人間がギブアップのベルに向かって最初の一歩を踏み出すのは、
任務やチームメイトのことを忘れ、
自分のことを第一に考え始めた時だ。
任務やまわりの人間のことを第一に考えている限り、
どんなことでもやり遂げられる。
だが、自分のことだけを考えて、
寒いだの、びしょ濡れだの、疲れただのといったことが
頭から離れなくなると、
もうそれはやめるかどうかの問題ではなく、
『いつやめるか』の問題になる。」
とおっしゃっています。
任務とまわりの人間のことを第一に考える。
これが世界有数の厳しい訓練をやり遂げたい
と望む人たちへのニューソン大佐からのアドバイスです。
* 『管理しない会社がうまくいくワケ』(アービンジャー・インスティチュート 著)より一部抜粋
チームとして成果を出すため、
いかに「外向き思考」が重要なのか、
分かりやすい例ではないでしょうか。
ただし、
メンバーを「内向き思考」から「外向き思考」へと導く
にあたり、
相手が変わるのを待ってはいけません。
同著によると、
「自分が変わる前に相手に変わってほしい」
と思ってしまうのも、
「内向き思考」なのだそうです。
経営陣は従業員が変わるのを待ち、
従業員は経営陣が変わるのを待っている・・
確かにそれでは、
先に進みませんよね。
そこで大切なのは、
相手に望んでいる「外向き思考」の行動を、
自分自身が先に取る
ということ。
つまり、自分の行動によって、
相手が変わる可能性を与える
のです。
その際、
相手の反応が無いからといって、
「やっぱりこの人には何を言っても無駄だ・・」
と諦めてしまうと、
それは「内向き思考」なので、
もしも経営者やリーダーが
そういった言動をとれば、
組織の成長は止まってしまうでしょう。
相手の反応いかんにかかわらず、
自分が「外向き思考」の言動を維持する
というのは、決して簡単ではありませんが、
そうすることで、少しずつ
「外向き思考」の文化を社内で育むことができれば、
きっと、
組織レベルが次の段階へと進化する
と信じています。
本日は、備忘録を兼ねて。
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【本日のまとめ】
■ 自分中心の「内向き思考」ではなく、
お客様やチームや会社全体といった
自分以外の他者を含めて考える「外向き思考」
のメンバーを増やしていくことは、
経営者やリーダーの役割である。
■ 大切なのは、
相手に望んでいる「外向き思考」の行動を、
自分自身が先に取るということ。
■ 「外向き思考」の文化を社内で育むことができれば、
組織レベルが次の段階へと進化するはず。